おたより ⑭

森下辰衛さま
お世話になっております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さきほど、森下先生のオフィシャルサイト「向こう岸へ渡ろう」のプロフィールのお証しを拝読いたしました。ずっと拝読しようと思いつつ今になってしまいお恥ずかしいのですが、お読みしながら涙が出てきました。お証しをお読みして感じたことを森下先生にお伝えしたくなってしまい、メールをさしあげました。突然申し訳ありません。旭川への神様のお導きと、様々な葛藤がありつつもそれにお従いになったこと、それによって神様を信じる方が興されたり、三浦綾子読書会などの新しい働きが広がっていったということ、本当にすばらしく感じられました。私も、三浦綾子読書会のおかげで神様のもとに導かれた者のひとりです。本当にありがとうございます。
私事で恐縮ですが、2021年の個人の年間標語聖句に、コロサイ人への手紙2章6節から7節が示されました。個人の年間標語聖句の提出の際に、主の救いをまず自分自身が心から信じられますように、自分の中の疑いや迷いを主が砕いてくださり、きよめてくださいますようにというコメントを教会に出しました。
しかし、森下先生のお証しをお読みしたとき、自分は心から主に砕いていただきたい、主に従っていきたいと思っているのだろうか?という疑問が浮かびました。
私は、思春期からの自傷行為(回復して今はしておりません)や、統合失調症の罹患や、原因がよくわからない歩行の不自由さ(現在はよくなってきております)を体験してきたものの、経済的には苦労を味わったことはありませんし、人間関係にもめぐまれてきました。そういう自分が、森下先生のように、神様からのコーリングがあったときにお従いする道を選べるかな、と思いました。
もしもそのようなお呼びかけがあったときには、私も従える自分でありますように、従えるように主が助けてくださいますように、と祈りました。
本日は、13時30分から千葉県信徒大会のオンライン配信にて、ご講演されるということですが、私もYouTubeでおききしたいと思っております。楽しみにしております。先生のお話から、三浦綾子さん、光世さんのことをもっと知りたいと思います。お忙しいところ、お読みくださいまして、ありがとうございました。ご健康が守られ、先生やご家族の上に主の豊かな祝福がありますようにお祈りしております。

 

本日のご講演の感想です。大切なお話をありがとうございました。
その場に綾子さんたちがいらっしゃるような、自在で臨場感のあるお話に引きこまれました。そして、エピソードにはさまれる森下先生のコメントに何度も笑いをいただき、とてもリラックスしてお聴きできました。
前川正さん、三浦綾子さん、光世さんそれぞれの生き方ににじみ出る愛、その背後にいつも働かれていた神様の深い愛について感じられました。神様から出ている愛は、循環していくのだなあと思いました。綾子さんが、戦争で受けた傷から神様を信じることを恐れていた、というところには、はっとしました。また『道ありき』を読み返したくなりました。
日本キリスト教団の礼拝やお説教も初めておききすることができて、ありがたかったです。タイムリーにご講演について知ることができたこと、オンラインでの配信に感謝しております。どうぞお疲れが取れますように。

 

森下先生
ありがとうございます。
そうだった!雑貨屋さんも書くというお仕事も、死ぬことも……綾子さんはどんなときも、キリストを伝えるという、その一点に集中して生き切っていかれた!ハッとさせられて、わたしも、綾子さんのようになりたい!と。あらためて、そう思いました。
千葉県信徒大会のご講演、私も拝聴させていただきました。お知らせいただき、ありがとうございます!あらためて、すべての道を備えてくださる神様の御業の素晴らしさに、ただただ胸を熱くして、御名をほめたたえております。
容赦なく、いろんなミッションがふりかかってきて?!あっぷあっぷしながら過ごしておりましたので、ほんとうに大切なところに立ち戻らせていただけて、感謝でした。ありがとうございます!
ひとこと感謝をお伝えしたく、メールいたしました。

 

森下先生
   「向こう岸へ渡ろう」で、神谷美恵子を取り上げてくださり感謝します。昨年、『神谷美恵子日記』(角川文庫)と彼女が訳した『ハリール・ジブラーンの詩』(角川文庫)を読んでいたので、私にとってはタイムリーでした。
 綾子さんが神谷美恵子の詩を引用した大きな理由の一つは、神谷恵美子もまた、結核を患い、再発し、治癒したという経験があるということも大きいと思いました。そして不治の病から自分だけが癒やされてという健全な負い目もまた、あの詩を生み出したのだろうと思います。
 また新型コロナウイルス感染が広がる中にあって「今でこそらいも治しやすくなり・・・『無菌』状態になっているが、少なくとも過去において私たちが感染しないですんだことのかげには、あの人たちの生涯の犠牲がひそんでいるともいえるのだ」(『人間を見つめて』)という言葉も思い出しました。
 どこそこで「クラスターが発生した」、「火曜日としては過去最大の感染者数となり」、「緊急事態宣言の発令を要請した」という報道が繰り返される中で、自分は感染者のことを本当に心配しているのだろうか、それとも責任ある場所でただ感染者を出さないようにしているのではないかという不健全な負い目をいだきつつ、何か大切なことを見つめることを怠っていないだろうかと考えるきっかけになりました。ありがとうございます。
 長々と失礼しました。お働きの祝福を祈りつつ

 

森下先生

 教会の週報に森下先生のお名前を発見(笑)した時は、錯覚かと思い何度も見直してしまいました。昨年の西千葉教会のことを思い出し楽しみにしていました。でも感染急拡大、どうなるのか心配していました。
   オンラインでの配信は、まるで私一人に話しかけられているかのよう、終わった時には拍手、胸は熱く涙が溢れました。後日拝聴したという教会の方より感動のメールが届いたので以下に記しますね。「綾子さん光世さんご夫妻のお話を森下先生の話術で一層深くひきこまれ、最後の言葉を話されたときは涙と思わず拍手をしてました。綾子さんの『道ありき』はそれぞれの道に続いていると語ってくださったこと。老いていくこれからの歩みの背中を押していただいたような、大きな励みになりました。森下先生のご健康と益々のご活躍の道を神様にお守りくださいますようお祈りいたします。」YouTubeでの運動、面白そうですね。探してみます。 

 

 

森下先生へ

 旭川の天気予報を見る度に、最高気温の低さに驚いてしまいます。父が青森出身なので大雪や寒さの実際については見聞きしていますが、比ではないのではないかと拝察しております。断片的に伝わってくるニュースや映像よりも、綾子さんの文章から景色を想像したりする方がリアルな感じがします。
 年末年始はなかなかブログを拝見する時間がとれなかったのですが、ようやく「幸福な王子」を読み終えることができました。我が家の子供たちが小さい頃「幸福な王子」を一緒に読んでいたのを思い出し「幸福な王子」の感想を聞いてみました。27歳の息子は「いい話だった。」23歳の娘は「悲しかった。最後、心臓が残っていたのが悲しかった。」という返事がかえってきました。ふたりに、本当の「幸福の王子」のストーリーと森下先生の解説を伝えたところ、「深い!そんな深い話しだったんだ!!!」とびっくりした後、感動を深めていました。同じ親が同じ本を同じように読んで聞かせていたのに、心に残る風景が真逆だったのにも驚きましたが、大人になった子供たちと「幸福な王子」と出会い直しができたことはとても幸せなことでした。
 ステイホームで家族と過ごす時間が増えているからこそできること、まだまだ沢山ありそうだな、と感じています。いつもいつも出会いのきっかけをいただく森下先生のブログに感謝です。
 中村哲先生の追悼コンサートの映像にもあついものがこみあげました。ご生前のクリスマスイブに加藤登紀子さんがたまたま哲先生に国際電話を現地にかけた時、「おれ、クリスチャンなんだよ……」とおっしゃったあと、電話の向こうで泣いておられるようだったと伺ったことがあります。異郷の地で異教徒の方と共に働かれていた哲先生は、どれだけインマヌエルという支えのもとに生きておられたかと思います。生命は終わってしまっても、哲先生が歩まれた生き方はこれからも沢山の方の、特に過酷な状況にある方たちの励ましになるのではないでしょうか。

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。