2020年4月30日(木) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 三浦綾子 病院の廊下に額をすりつけて祈る ― 綾子さんのお父さんのこと 私は十三年もの療養で家を傾けた親不孝な娘だったが、その病気の最中に、私の部屋に入って来て、 「綾子、弱く生んですまんかったなあ」 と、声をうるませたことがあった。長い療養中の娘に親が謝る……そんなことがあってよかろうか、私はその親心に深く打たれたものだった。
2020年4月28日(火) / 最終更新日時 : 2020年9月14日(月) 森下 辰衛 コロナの時代に みずうみ/これは戦争なんだから 昔は良かったと言うのはやめよう 戦争や貧困や公害病や 言い難き苦難を苦しみつつ生き 亡くなった人々の魂が 今も私達に叫ぶから
2020年4月27日(月) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 大鵬の少年時代と『天北原野』― モデル仮説 大鵬(納谷幸喜)は1940年(昭和15年)5月29日、樺太の敷香(しすか・現ポロナイスク=ロシア・サハリン州)で生まれました。父は革命を逃れて南樺太に亡命して来たウクライナ人マルキャン・ボリシコ、母は日本人納谷キヨ。しかし、終戦期の混乱で父と生き別れになり、45年8月、母と二人で稚内に引き揚げて来ます。5歳でした。このとき二人が乗った船が小笠原丸。
2020年4月25日(土) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 三浦綾子を読む 綾子さんに「生まれてくれてありがとう」 今日は綾子さんの誕生日です。誕生から小学校卒業までを書いた自伝『草のうた』、初出は「わたしは、一九二二年(大正十一年)四月二十五日の朝、北海道旭川市四条十六丁目左二号に生まれた。わたしが生まれた時、すでに兄が三人、姉がひとり、そして、姉のようにして育った叔母がいた」と書き始められています。
2020年4月19日(日) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 試作的思索 「取り除かないでください」と祈る 世界屈指の観光地であるベネチアから観光客が消えて、運河に魚が戻って来たと言う。世界中の人が少なくなった都市の市街地にピューマや象やサルの群れや鹿たちが、あるいは今までどこにいたのだろうというような鳥や動物たちが出て来ているらしい。
2020年4月16日(木) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 三浦綾子を読む ご当地チロル よいとまけ 発見! “ご当地チロル よいとまけ”を旭川市内のスーパーマーケットで発見しました!よいとまけを作っているのは小林多喜二の伯父さんが創設した会社です。
2020年4月14日(火) / 最終更新日時 : 2020年7月7日(火) 森下 辰衛 被造物の福音 黒き馬静かに蹄切られ居り ― 三浦光世の短歌 ③ 黒き馬静かに蹄切られ居り曲げし前足を人に抱かれて まだ馬が輸送や農耕に使われていた時代でした。でも、何千年も続いて来たその関係が終わろうとしていた時代でした。北海道でも馬橇や馬車は昭和三十年代から四十年代には急激に減って、自動車に代ってゆきました。