2021年10月14日(木) / 最終更新日時 : 2021年10月15日(金) 森下 辰衛 文学散歩 燃える紅葉の瀬戸牛、滝上 燃えるような赤、目のくらむような金色、北海道の紅葉はまことに鮮明と言おうか、美麗と言おうか、あの時ほど美しい紅葉はなかったような気がする。(『この土の器をも』) 2021年10月13日、西興部から、光世さんのふるさと北見滝上を訪ねて来ました。
2021年7月13日(火) / 最終更新日時 : 2021年7月13日(火) 森下 辰衛 三浦綾子読書会 “最後まで耐え忍ぶ者は救わるべし”- 黒江勉さんを偲んで 2021年1月28日、黒江勉(くろえつとむ)さんが95歳で亡くなられました。三浦夫妻と最も長い期間友人であった方の一人で、前川正と三浦光世の両方を生で見たことのある数少ない証言者の一人でもありました。 黒江さんは1925(大正14)年6月12日、父三郎さん、母トヨさんの第一子長男(五人兄弟となる)として札幌で生まれました。
2021年1月10日(日) / 最終更新日時 : 2021年3月20日(土) 森下 辰衛 三浦綾子を読む 伝えられなかった「最後のメッセージ」 弾圧の時代を生きた元教員が遺した原稿 北海道新聞の佐竹直子さんからおたよりいただきました。佐竹さんは『銃口』の北海道生活綴方事件の先生たちが残した資料を丹念に後づけ事件の実像に迫った『獄中メモは問う 作文教育が罪にされた時代 』(道新選書)で日本ジャーナリスト会議賞他を受けられました。最近また、すばらしい記事を書かれました。数か月前に紹介した生活図画事件の松本五郎さんについてのものです。ぜひお読みいただければと思います。
2020年12月19日(土) / 最終更新日時 : 2020年12月19日(土) 森下 辰衛 文学散歩 初冬の峠 ― 塩狩駅存続を願って和寒町へ 和寒町の子どもたちはひと学年が20人ばかり。過疎の町の厳しさも感じましたが、それだけに郷土愛を持ってほしいという願いもひとしお。それで、「どうでしょう、私たち三浦綾子読書会は若い方々に『道ありき』を贈呈しているのですが、和寒町の中学生のみなさんにプレゼントさせていただけないでしょうか?或いは『塩狩峠』でも大丈夫です」と、勝手に話をすすめるのが、代表の悪い得意技。
2020年12月1日(火) / 最終更新日時 : 2020年12月1日(火) 森下 辰衛 三浦綾子を読む 小林多喜二、いのちと家族の記憶-三浦綾子、守分寿男の仕事から 1903(明治36)年12月1日、小林多喜二は秋田県北秋田郡下川沿村(現大館市)に小作農家の次男として生まれました。少し古い資料では「10月13日」となっているものが多いようですが、それは旧暦の日付のようです。さて、小林多喜二と三浦綾子との関わりですが、1977年と言いますから綾子さんが『泥流地帯』を書いていた頃だったようですが、光世さんが綾子さんに小林多喜二の母を書いて欲しいと頼みました。
2020年11月28日(土) / 最終更新日時 : 2020年11月28日(土) 森下 辰衛 文学散歩 淋しくはない、キリストと話をしているから-三浦光世の父貞治 11月28日は三浦光世さんの父貞治(ていじ)さんの命日です。1927(昭和2)年32歳でした。貞治さんは1895年福島市に生まれ、20歳になるかならぬかで単身渡道、北見滝上に入植して開拓を始めました。十代のとき福島県の伊達でキリスト教に出会っていたようです。入植した滝上の滝西地区は両側から山が迫る狭い土地でした。
2020年10月30日(金) / 最終更新日時 : 2020年10月30日(金) 森下 辰衛 三浦綾子を読む もう一つの『銃口』-『松本五郎・菱谷良一「無二の親友展」図録』(増補版)紹介 昭和15~16年、北海道生活綴方連盟事件と共に起きた生活図画事件をご存知でしょうか。この「生活図画事件」で、当時逮捕・投獄された旭川師範学校の同級生2人が、一年前の2019年11月、共同絵画展「無二の親友展」を札幌市西区の「ギャラリー 北のモンパルナス」(企画:田中みずきさん)で開催しました。その時の図録(増補版)を、企画された田中みずきさんから最近頂きました。
2020年10月21日(水) / 最終更新日時 : 2020年10月24日(土) 森下 辰衛 文学散歩 江部乙のりんご園-『青い棘』緋紗子のふるさと 10月19日、文学館の三浦文学案内人近藤弘子さんの車で、旭川から南へ45キロの滝川市江部乙に行ってきました。現代小説『青い棘』の主人公邦越康郎の最初の妻・緋紗子のふるさととして書かれているので、一度訪ねてみたいと思っていたのです。 緋紗子は江部乙で一番大きなりんご園の三人娘の末娘でした。ネットでは充分な情報が得られなかった私たちは、江部乙駅すぐの道の駅に行きました。
2020年10月9日(金) / 最終更新日時 : 2020年10月10日(土) 森下 辰衛 文学散歩 十勝岳連峰、裾野の秋 十勝岳裾野の秋です。9月は長友あゆみさん、10月は近藤弘子さんに車をお願いして、プチ文学散歩しました。再来年あたり『泥流地帯』の映画が出来たら、皆さんで文学散歩しましょう。
2020年9月26日(土) / 最終更新日時 : 2020年9月26日(土) 森下 辰衛 三浦綾子を読む 洞爺丸遭難事件と『氷点』 『氷点』の懸賞小説入選が決まって間もなく朝日新聞からの依頼で、新聞小説の一日分三枚半を三枚強に書き直すことになったとき、光世さんが洞爺丸遭難事件のことを入れてはどうかと提案して、二人は函館まで行って調べることにしました。エッセイ集『それでも明日は来る』を見ますと、『氷点』連載半年ほどたった昭和40年5月、三浦夫妻は函館教育大学の美術の教授渕上巍氏を紹介されて、体験談を聴きました。