おたより 23 朗読CD「李(すもも)」のご感想

朗読CD「李」をお聴き下さった皆さまから、温かく真摯な感想を頂きましたので、紹介させていただきます。最初のご感想を書いてくださった岡田文男さんのお知り合いの皆さまです。朗読CD「李」のご注文は、当ホームページの注文フォーム、またはEメール:shiokaripass@gmail.com(森下)まで。

「李」 感想文              岡田文男

森下先生の「李」の朗読講演をお聴きしてすごく感動しました。
それから9月初めまで、私の毎朝のデボーションとして聴かせて頂きました。何度お聴きしても、前川正さんが、神様を信じ、全てを神様にお委ねしての生き様、綾子さんに対する限りない愛に感動して、少しでも正さんに見習いたいと、清々しい気持ちで、毎日の生活を始めることができました。(今は、夜眠りにつく前に聴かせて頂くことが多くなりました)。本当に感謝です。
正さんの綾子さんに対する愛の祈りから、この物語に引きずり込まれていきます。
「神様、僕が死んだら、綾ちゃんに一生共に歩んでくれる、僕よりもっとふさわしい人をお与えください。
綾ちゃんを支え導き、綾ちゃんの良いものを引き出せる愛と信仰の人でありますよう。でも、その方もまた幸せでありますように。僕がこんなに幸せだったように、その方も綾ちゃんを心から愛することで幸せでありますように。そうです、神様、綾ちゃんはそんな人です。」
正さんは、自分の病状の悪い中で、このような祈りができたのですね。信仰に裏付けされたお母様の優しさやお父様の人柄が、正さんを育て、最後まで愛し支えられたのですね。
正さんの「僕、生まれてきて良かった。病気になったことも良かった。綾ちゃんに会えて良かった。綾ちゃんを愛せて良かった。全部良かったよ。母さん僕を産んでくれてありがとう。」という言葉に心を打たれます。
三本の「李」の木は、正さん、綾子さん、光世さんですね。毎年毎年、仲良く、綺麗な花を咲かせた様子が思い浮かびます。
この物語に、当時の時代背景、正さんの言動に垣間見える信仰や愛と考え方、光世さんの信仰と優しさ、お父様、お母様や美喜子さんの信仰や人柄等々が豊かに盛り込まれて、森下先生が時間と情熱を注いで創作されたことを痛切に感じます。
80分の朗読、何度聴いてもジーンときて、心が癒され、余韻に浸らされます。先生のお声と朗読が素晴らしく、私にとって「愛読書」ならぬ、「愛聴CD」になっています。
本当に感謝します。

 

F姉

綾子さんの周りは、誠実、正直、自分より相手をまず思いやり、真実な愛で接する。現実こんな人いない。綾子さんは、そういう方に愛され大切にされた。ただの作家でなく、なにか、神様から、その様に大切にされる運命として生かされたのかとか思わされました。私の心理は及ばない。汚い、罪深さを感じます。あのように、汚れなく、神様をまっすぐ見上げ、謙遜に、謙虚でありたいと思わされています。
神様、あなたに従えない私をお許しくださいと祈るばかりです。
今朝も、『李』聴いて。死を向かえるまでの神との関わりが、リアルで、恐れより神との歩みに涙。一分一秒無駄にできない大切さが伝わり、そのプロセス❓心情を理解するには、何度も聴きなおします。
真剣さ、周りの方の細やかな描写。『李』CDは、神様と人の関わりがいかされていて、私は、真面目に傾聴しています。知識不足でなかなか、難しくおろそかに成ります。
正さんの気持ち、正直で羨ましいです。医者をめざし、悔しい思い、又心ない言葉、それに対し、心の内が乱れなく、正さんは、無念があるも、ご自分の命の短さを、大切に、綾子さんだけのために生きたい思いを残された事は、神様に感謝ですね。
聴けば聴くほど、切なさ、純粋さが伝わります。
(社会は醜い、妬み、人のためでなく、自己保身が働く世の中)
『李』のCDを何回も聴いて、純粋、相手を思いやる気持ち、周りが、神様の恵み、愛に包まれてくることは。平安ですね。しかし、苦しみ、むなしさ、悔しさ、もどかしさ、のなか、神様に肉の叫びができる幸せが、羨ましいです。
この、CDから流れる肉声に、血の流れを感じます。これが、人間の生きざま、そこに神の寄り添いがあり、赦され、癒され、悔い改めが始まると思わされました。これでいいのだと安心です。文章にできませんが、耳に入り、聖霊に導かれるままにしか、表現できません。これが私です。

 

A姉

お母様の愛が溢れていました。子供に先立たれて、辛い経験をされても信仰により、癒され前に進んでおられたと思います。神様を知っていたので、強く生きていけると確信しました。息子さんが亡くなっても交流できる神の愛を感じました。

 

K姉

心に沁みるお声で、すぐにお手紙の内容に引き込まれていきました。
登場人物お一人お一人の人生が活き活きと立体的に描き出されて、そこにあたたかい血が通っているのを感じました。
読み終えられた手紙が目の前に一枚一枚、積み重ねられていくような感覚で聴き、そこに李の花びらが少しずつ舞い落ちてきて、最後には花吹雪の中に立って空を見上げているような気持ちになりました。何ともいえない、あたたかく、清々しく、それでいて、こちらに強烈に迫ってくるもののある、とても深い内容と朗読で感動しました。登場人物それぞれが、神様の御前に正直に生き、愛することに葛藤されるお姿に、自分自身の生き方を問われる思いがしました。ありがとうございました。

 

C姉

先生のお声もお話も、丁寧で豊かな表現で満ちていて、映画を観ているように感じました。
李の花を見たことがなくて、想像できないところもありましたが、調べてみます!北海道の景色とかを知っていれば、もっと情景が浮かべたのでしょうね。
どんなところでみなさんが過ごされていたのか、行ってみたくなりました。

 

Y姉

李(すもも)~前川英子から綾子への手紙 朗読より

『愛することを教えてください』という祈りが、私の最近の祈りの根底にあります。今回の朗読を通して、改めて『愛すること』を学び、追求することは、神様が人間に与えて下さったテーマであると思わされています。また、違う時代や環境の中で、それぞれの人生に与えられている重荷や葛藤の中において個人個人が向き合っていくチャレンジであり、同時に、『愛されること』を学び【愛されている者である】ということを、知っていく生き方へと導かれていると、主の心を見せていただいたような気がしました。
『死』といつも隣り合わせにおられた前川正さんの、真摯に向き合い続けてこられた生き方から、受け取らせていただきました。
ありがとうございました。

 

M姉

「李(すもも)を聴いて」

三浦綾子さんの作品は、クリスチャンになる前によく読んだ時期がありました。自伝を読み、前川正さんと出逢い、三浦綾子さんがイエス様に出逢った事は知っていましたが、それだけでした。
この「李」を聴いて、三浦綾子さんを命がけで愛した人、愛する人が幸せになることをただ願った人、そしてご自身が医師を目指し、結核を患い、葛藤、闘い、苦しみの中一度も愚痴ることもなく、真正面から受け入れ闘った方であった事を知りました。イエス様のように生き、そして傍でその姿を見守り看取った母は、マリア様のようだと思いました。三浦綾子さんの文学の根底には真実の愛があると思います。御言葉から、イエス様の愛を教わり、実生活に適用することはなんと難しいことかと日々感じさせられていますが、この前川さんはまさにイエス様に従いぬいた方なのだと思いました。
神を愛し人を愛しぬくこと、この先そのように歩んでいけるか、僅かしか出来ない者かもしれないけれど、そのように歩む者になりたいと思わされました。

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。