おたより ④

   毎日「向こう岸へ渡ろう」のブログの更新はないかどうかを楽しみに確認してしまう習慣が身についてしまいました。更新された時の嬉しい事!嬉しい事!更新されていない時は前回のブログを何度か読みなおし、深めております。
   実は今年の4月に夫と共に旭川に旅行する計画を立てていたのです。行けなくなってしまったので、旭川の写真がとても有難いです。
   八木重吉さんの「花がふってくると思ふ」にはノックアウトされました。「貧しき信徒」は愛読書にもかかわらず、恥ずかしながら、なんと、この詩はスルーしていたのです。目から鱗とはこの事かと実感しました。あまりに感動して、家族の皆に「この3行の詩を森下先生はこんな風に解説して下さっているの!!!!」と触れまわってしまいました。福音を伝えたくて仕方がない、まさにあの心持ちです。
   ブログで紹介されておられた「信仰のものがたり」も早速取り寄せ、1日で読んでしまいました。日野原先生・水野さん・富弘さん・ちいろば先生・初女さん・とどめに綾子さんと森下先生が詰まっている本がこの世にあったのですね!

   地球自身が、身体を冷やすかのように雨が降り続いているのではないかと感じます。祈ることがゆるされていることに救いを感じる日々です。
   先生のブログを毎回それはそれは楽しみに拝見しております。試作的思索は個人的に特に大好きです。
   「国境の河は深い」は実に様々な場面が思い浮かんできました。聖書に出てくる場面から現在にいたるあらゆる残酷なシーンと、イエス様が灯してくださっている光を信じたいという慟哭にも似たうめき声が聞こえてくるようです。にもかかわらず、森下先生の描かれる世界は、いつも穏やかな河の流れのようです。連日テレビに映されるような濁流ではなく、おそらく胎内にいた時に聞いたような母から子へと行き来する血流のような河でしょうか。
   前川正さんの生誕100年のお話しにも心をうたれました。「勉強しよう」という正さんのメッセージを、しかと受け止めました。「生活」は文字とおり「生かされて活かされる」。私自身の人生においても仕事の上での目標においても「生活」はキーワードです。
   走れメロスのTシャツにも釘付けでしたが、みかんさんのお茶目ぶりに感動しました。やっぱり、大笑い・馬鹿笑いは大切な栄養でござんす。「ラン・メロス・ラン」って、「立て!立つんだ!ジョー」みたいで訳もわからず元気をいただきました。
   おかわりないでしょうか?過日はCDなどを送っていただきありがとうございました。
 早速「私を思い出して下さい」を繰り返し聴かせていただいております。一番、聴きたかったのです。何回聴いても初めて聴くように気持ちが新たになります。そして、森下先生ほど地を這うような位置までご自分を低くできる方を私は見たことがありません。

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。