2020年9月7日(月) / 最終更新日時 : 2020年10月10日(土) 森下 辰衛 おたより おたより ➅ 最近いただきました感想のお便りの中からいくつかを紹介させていただきました。三浦綾子の物語や私の語る物語を何らかの光として受け取ってくださって、ご自分の物語を照らして語り直してゆくきっかけにしていただけたら、本当にうれしいです。
2020年7月21日(火) / 最終更新日時 : 2020年7月21日(火) 森下 辰衛 文学散歩 7月21日、夏祭りの昼下がり―『氷点』冒頭 『氷点』冒頭はなぜ1946(昭和21)年7月21日と決められたのでしょう。戦後間もなくである必要はあったと思いますが、堀田綾子にとって特別な日ではなかったように思えます。この年3月末に教員を辞職し6月から結核療養のため白雲荘に入所中でした。彼女の心が淋しさで凍えてしまう〈氷点〉の時期であったことは確かですが、物語の冒頭を7月21日に設定したのは上川神社の夏祭りに合わせるためだと考えられます。
2020年7月11日(土) / 最終更新日時 : 2020年10月10日(土) 森下 辰衛 おたより おたより ③ 最近いただいたお便りのいくつかをご紹介します。ご感想やご助言、こんなこと知ってるよといったことがありましたら、お便りいただけるとうれしいです。
2020年7月10日(金) / 最終更新日時 : 2020年7月10日(金) 森下 辰衛 三浦綾子を読む 遂に七月十日の朝が来た ― 『氷点』入選発表の日 遂に七月十日の朝が来た。早朝六時、店の雨戸がガンガンと叩かれた。新聞配達の人が、朝日新聞を一抱え持ってきてくれた。入選の記事がデカデカと出ていた。 今日くらいは休んでくれるかと思ったが、三浦はいつものように、弁当を持って勤めに出ていった。
2020年6月24日(水) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 「陽子ちゃん、出ておいで」 わたしたちきょうだいは病院に呼ばれた。家から病院までの一キロ余りの道を、わたしは泣きながら走った。病院に着くと、妹はしきりに寒い寒いといった。六月二十四日のその日はあたたかかった。わたしは、弟の乗ってきた自転車に乗って、湯たんぽを取りに帰った。ペダルを踏む足が、夢の中のように、もどかしいほどのろかった。
2020年6月17日(水) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 大いなるものの意志 ― 斜里の海で ③ 〈遠くに知床半島がかすんで見える斜里の海岸にきました。軽石がごろごろしています。毎年来ているところですが、軽石がこんなに多いと気づいたのは今年がはじめて。/けさ、この海岸に若い女性が打ち上げられて倒れていました。死のうとして、海に入ったのに、波が彼女を岸に運んでしまったのです。浜辺に気絶していたその女性は助かりました。
2020年5月9日(土) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 見本林の春 2020年5月9日午前、三浦綾子記念文学館のある旭川市神楽の外国樹種見本林とその周辺を歩きました。文学館やストローブ松などの王道は今回は除いて、普段あまり見ない角度やいのちを撮りました。
2020年4月30日(木) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 三浦綾子 病院の廊下に額をすりつけて祈る ― 綾子さんのお父さんのこと 私は十三年もの療養で家を傾けた親不孝な娘だったが、その病気の最中に、私の部屋に入って来て、 「綾子、弱く生んですまんかったなあ」 と、声をうるませたことがあった。長い療養中の娘に親が謝る……そんなことがあってよかろうか、私はその親心に深く打たれたものだった。
2020年2月12日(水) / 最終更新日時 : 2020年3月16日(月) 森下 辰衛 漫才 漫才 『氷点』朗読会 A みなさんこんにちは。三浦綾子漫才の時間です。 B さて、今年は2015年、去年2014年は「氷点」入選50年の記念の年でしたが、今年は何の年か分かりますか?(※原作2015年作)A ハイ、「氷点」 […]
2020年2月4日(火) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 もうひとつの雪柳 2020年1月28日(火)朝、旭川市の神楽と神居を結ぶ両神橋から見た美瑛川の景色です。この朝、旭川市の最低気温は-18℃と報じられましたが、それは市の中心部でのこと。この場所では-20℃にはなっていたと思われます。空中を砂金が舞っているかのようにキラキラしていましたから、ダイヤモンドダストだったのでしょう。