奇蹟は対馬にも飛び火する ーソウル・レポート⑥
「ごめんなさい」と「ありがとう」は最強の平和ツール6
その日長谷川先生の講演の通訳をしてくださったパク先生は、長崎県対馬の比田勝という港町で、小さな開拓教会を始めている女性牧師です。パク先生も三浦綾子読書会を始めたいという思いがあって、参加してくださってもいたのですが、まだ教会自体が三人ぐらいでやっていて、協力者も足りず、とても鄙びた場所です。状況をお聞きしても、良いアイデアなど浮かびません。ところがふと思い出したのです。私が福岡にいた時代に三浦綾子読書会のお世話をしてくださっていた武田さんが対馬にいる!数年前にNTTを定年退職して、郷里の対馬で詩画を描いたり、釣りしたりして悠々自適に生きていて、三浦綾子読書会はちょっと遠くなっている。大きな島だけど、もしかしてと思いネットの地図で検索してみると、武田さんちは何と比田勝のすぐ近くなのです。すぐに武田さんに連絡を取りましたら、「やっぱり三浦綾子さんから離れられないようになってるんですね」と半分涙ぐみながら、喜んで協力してくれることになりました。それから、あっという間に話は進んで、来月1月16日(木)には長谷川先生が行かれて対馬読書会が始まることが決まり、もう秒読みになっているのです。
このソウルレポートは、これで終わりです。綾子さんが教えてくれた「ごめんなさい」と「ありがとう」。それは、平和を作り出す最強の言葉。その心が真実であれば、誰にも止めることができない奇蹟を起こす言葉です。説明ではなく、「ごめんなさい」の涙と「ありがとう」の涙が、天を開くからです。ソウルで、私はそう学びました。
このブログを書いた人
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1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。
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