こんな所にも日韓関係悪化の影響!? ーソウル・レポート①

「ごめんなさい」と「ありがとう」は最強の平和ツール1

11月7~11日にソウルに行ってきました。三浦綾子さんの人生と文学を紹介し、三浦綾子読書会の開催のお勧めをするのが目的でした。

到着した木曜日の夕方から日曜日まで4日間に、計四つの教会で六回お話をしました。三日目に聖水駅近くの聖楽聖潔教会で持たれたセミナーと講演会がメインでした。この教会の小ホールを借りることはかなり前から決まっていたのですが、日韓関係が悪くなったことで、二か月ほど前になって、教会の役員会から「その三浦綾子という人は先の戦争に賛成していましたか反対していましたか?書面で提出してください」という連絡が来たのです。三浦綾子が戦時中軍国教師であったことは事実ですから、ギョッとしましたが、三浦綾子読書会代表の私が責任を取って、説明文書を書きました。三浦綾子は戦時中軍国教師であったこと、しかし戦後はその過ちに気づいて、平和のために書いた作家であったことを具体的なエピソードや作品も挙げて紹介しました。最初は戦々恐々としていましたが、書きながら、これは三浦綾子を知っていただく良い機会であり、また韓国で三浦綾子を語るための準備としても良い機会だったと思えるようになり、途中からは恐れよりも喜びが出てきました。権ヨセフ先生が翻訳して提出してくださってから待つこと十日ほどだったでしょうか、先方の教会から許可が出て、無事集会ができることになりました。

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。