前にしか進めない ― 茨城県取手市で読書会

今日3月19日(木)午後、茨城県取手市の取手ウエルネスプラザで三浦綾子読書会講演会が参加者11名で開かれました。コロナ禍で予約されていた部屋のキャンセルが多かったために広い部屋に移ることが出来てまばらに座れ、天気も良かったので換気も充分できて、快適でした。定番の『道ありき』を中心にして三浦綾子の人生と信仰と、そして何よりも綾子さんを愛したいい男たちを語る講演でしたが、皆さん熱心に聴いてくださり、講演後には感想も語っていただきました。息子前川正を見送って五年後、綾子さんの結婚式で祝辞を述べた正の母秀子さんの思いを語らせていただいたことに胸打たれてくださって、三十代の息子さんを亡くされた体験を語ってくださったご婦人もおられました。三浦綾子の語る物語が光芒となって一人の人生を照らしてゆき、照らされた胸がまた苦しみ悲しみを縒り合せながらもなつかしい、ひとすじの人生を語り始める尊さをまた見させていただいたことでした。停滞しているようで、決して後ろには下がらないものがこの働きにはあると確信して感謝した午後でした。

欠航の嵐の中、飛行機が飛んでくれて、茨城空港に降りたときに見たスカイマークのメッセージも素晴らしかったので、おまけで載せさせていただきます。

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。