就実の丘

 旭川空港から近い旭川市西神楽1線31号〜線31号の田園地帯は周辺の波状丘陵の農地改良が行なわれていないために起伏に富む絶景を楽しむことができます。

旭川周辺のカメラマンには以前から知られていましたが、観光的に注目されるようになったのは10年前ぐらいからです。空港側から見えるこの門を通ってゆきます。

晩秋の風物詩、掘り出されたてんさい。砂糖の原料です。

中心を走る直線道路の最初のピークからの展望。この先の坊主山から南東に向けて就実の丘への道がアップダウンのジェットコースターの道。

一番高い所からは大雪山国立公園の北端の愛別岳から南端の南富良野岳まで南北60kmを一望にできる絶景の地で、旭川在住の写真家・檜山修さんが平成14年に「就実の丘」と命名しました。

明治33年に香川県から3名が入植して開拓が始まったこの地域で大正2年に創立された「就実青年会」から「就実」の名が採られています。上の写真も下の写真も一番左端の山がオプタテシケです。

最近は訪れる人が増え、写真をとる人の姿も多く見られます。ただし、現状では案内・看板がほとんど設置されていないため、初めて訪れる人は道を間違えると狭い農道に迷い込むので注意。それは私です。

周辺はヒグマの出没事例もありますので注意が必要です。鳴り物を持つか、歌いながら歩きましょう。

落葉松の黄葉。周辺の畑は私有地で農作物が作付けされています。畑などには立ち入らず、安全な場所での駐車、公道での撮影などマナーを守った見学を。撮影にのめりこんで、脇目もふらずゴー、ストップを繰り返していると危険です。それは私です。

所在地   北海道旭川市西神楽4線31号。旭川空港から南東に約6.8kmです。

      病む妻の背に手を添へて歩む丘めぐりにかぐろき蜻蛉飛び交ふ     光世

           首伸べて濁れる声に鳴く鴉墓碑にゐて紅葉の丘寒きかな      光世

 ※写真は2020年10月末。就実の丘は数年前、旭川読書会村椿さんにすすめられ、9月上旬文学館長友さんの車で下見させていただき、最後は文学館案内人の近藤さんの車で訪れました。沢山の方にお世話になっています。光世さんの丘の短歌二首の丘はここではない可能性が高いです。

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。