黒江勉さんをお見舞い

  『道ありき』で綾子さんが旭川の日赤病院に入院していたときに出会う青年の一人に黒江勉さんがいます。黒江さんはその後前川正と同じ教会の教会員となり、三浦夫妻の終生の友人でもありました。1925年生まれですからもうすぐ95歳。若い時には結核で何度も危ないところを通られましたが、その後はずっとお元気で、ギデオンで活躍され、読書会にも参加くださり、車の運転もなさってましたが、昨年施設に入られました。1月11日土曜日札幌聖書読書会のあと、菅野美紀子さん、山田諭さん(とヘルパーさん)と一緒に、お訪ねして来ました。
   札幌市西区の山合いにあるその施設では、室内が暖かく保たれているため、少し乾燥気味で、声がうまく出ない感じもありましたが、黒江さんの頭に衰えはなく、青年のようなお顔もきれいで、いつもと変わらず情熱的に綾子さんとの思い出を語ってくださいました。黒江さんとお出会いして14年になりますが、お人柄も情熱も信仰も、本当にお変わりにならない方です。きっとまたお元気になられて、良い季節には集会に来られることと信じています。
   最後に、前日に出来たという俳句を披露くださいました。

         なつかしき綾子の街のナナカマド   黒江鏡湖

※写真撮影は菅野美紀子さん。写真を見た家人曰く。「黒江さんにガンつけてどうするの?あんたこそマスクで顔隠したら良かったのに!」

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。