コロナ禍の中でも読書会
昨日、コロナ先進地北海道の苫小牧の糸井福音教会で、定例の三浦綾子読書会(講演会)が開かれました。苫小牧から小樽までの札幌近郊読書会8箇所の会場教会や世話人の方々に意向をお聞きして、結果7箇所が中止(一つは部屋が狭いので私が決めました)となりましたが、苫小牧糸井の細川先生と教会員の皆さんが「こんな時だからこそ開催したい」と強く意志を表明なさったので開催することにし、行って参りました。参加者は12人といつもの半分ほどでしたが、その分ゆったりと濃厚接触距離でなく座れました。入り口には殺菌アルコール。そして充分な広さはありましたが、係の方が時々窓を開けて換気をして下さいました。一時間『石ころのうた』についてお話しし、前川正を通して光に照らされ始める直前の、言わば心の曉闇に至る綾子さんの物語と、様々な出会いを通して綾子さんの中になされていった“小さな声を聴く耳”の養いという側面から読み解きました。来てくださった方々は教会員がほとんどでしたが、講壇からお一人お一人を見ていると、比較的ご高齢の現在あるいは最近まで癌などと闘って来られた方々(またはそのご家族)ばかりなのです。不思議な光景でした。そして講演後の感想を語る時間に、参加者のお一人がチューリップの「サボテンの花」を演歌調で中々上手に歌ってくださいました。どういう文脈で歌われたのかは分かりませんが、小さなサボテンの花だけが心に残ったようで、忘れがたい読書会でした。
“コロナなど怖れはしない癌の人”
このブログを書いた人
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1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。
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