2021年10月14日(木) / 最終更新日時 : 2021年10月15日(金) 森下 辰衛 文学散歩 燃える紅葉の瀬戸牛、滝上 燃えるような赤、目のくらむような金色、北海道の紅葉はまことに鮮明と言おうか、美麗と言おうか、あの時ほど美しい紅葉はなかったような気がする。(『この土の器をも』) 2021年10月13日、西興部から、光世さんのふるさと北見滝上を訪ねて来ました。
2020年6月30日(火) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 今日はあなたの百歳の誕生日 前川正さん。ちょうど百年前の1920(大正9)年6月30日、旭川市宮下通り19丁目であなたは生まれました。今日はあなたの100歳の誕生日。なぜあなたはあの場所で、あの時代に生まれたのでしょうか?今その場所を訪ねても、確かな場所は分かりません。何の記念の目印もなく、道行く人もそれを知りません。
2020年6月28日(日) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 光世さんの最後の祈り― 『道ありき』文学碑除幕式 真実に生きようとして傷つき、心も体も死の淵にいた一人の女がふしぎな光に刺し貫かれた日、魂の再生の物語は始まりました。三浦綾子の人生に大転換が起きたのです。この事件の舞台となった春光台の丘に立つと、彼女の魂の声が聞こえてくるようです。2014年6月28日(土)、この地に三浦綾子『道ありき』文学碑が建立され、除幕式が行われました。
2020年6月18日(木) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 ベッドの中の澄んだ大きな瞳は美しかった 案内された堀田綾子の六畳の病室はクレゾール匂う装飾のない質素な部屋でした。木製のベッドの上に彼女は身を横たえていました。ギプスベッドで寝返りも打てないその人の顔はむくみを帯てはいましたが、澄んだ大きな瞳は美しく印象的でした。 「寝ているだけの病気です」 ベッドの傍らで聴いたその声は澄んでいて、弱々しい響きではありませんでした。
2020年6月16日(火) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 「ここからでも海は見えるよ」と言って彼は黙った。― 斜里の海で ② 1949年の6月、堀田綾子はこの西中家に泊まって、夜中の12時の時計が鳴り終えるまで布団の中に息をひそめ、それから玄関の戸を開けて、一人で真っ暗な夜の中に出て行きました。ハイヒールで坂をどんどん降りてゆき、浜に出ると時おり軽石に足を取られて転びそうになりながら、とうとう暗い海の中に入りました。ところがそのとき、綾子は後から駈けて来た人に肩をつかまれていました。
2020年5月23日(土) / 最終更新日時 : 2020年7月4日(土) 森下 辰衛 文学散歩 新緑の常磐公園を歩く 常磐公園は旭川市常盤町の石狩川の川中島を利用して造成され、1916(大正5)年開園した広さ15・85ヘクタールの公園で、ハルニレやドロノキを中心に在来の巨樹の美しい林や千鳥ヶ池、白鳥の池などがあり、1989年には日本の都市公園百選にも選ばれています。