2020年2月22日(土) / 最終更新日時 : 2023年6月28日(水) 森下 辰衛 小説 オムニ・バス ④ 四 幼稚園のころ、虫歯がたくさんあって、私は町の歯医者に通っていた。アルマイトのデコボコのお椀で脱脂粉乳のミルクが出る給食のあと、幼稚園が終わると、祖母が迎えに来て、町へ行くバスに乗せてくれた。バスは川の流れに沿っ […]
2020年1月30日(木) / 最終更新日時 : 2020年3月12日(木) 森下 辰衛 創作 オムニ・バス ③ 三 中学一年の時のことだ。いつもは親の車か、自転車で通学しているのに、その日の帰り道は、二歳上の兄と一緒にバスで帰ることになった。たぶん十二月で、印刷工場で働いている親が忙しく、残業だったのだろう。ところが、バス […]
2020年1月19日(日) / 最終更新日時 : 2020年3月12日(木) 森下 辰衛 創作 オムニ・バス ② 二 福岡時代、春日原という駅の近くに住んでいたころのこと、家の近くから勤めていた学校の近くまで一本で行けるバス路線ができた。春日原の駅近くから出て、ぐるっと回ってまた春日原に帰って来る循環式のバスだった。 バス […]
2020年1月15日(水) / 最終更新日時 : 2020年3月12日(木) 森下 辰衛 創作 オムニ・バス ① 日本中を回って三浦綾子についてお話しする生活になって、いろいろな乗り物に乘るようになった。飛行機、新幹線、電車、高速バス、人の車、船、モノレール。飛行機に初めて乗ったのは三十歳をいくつか過ぎて、福岡から旭川に三浦綾子さ […]