最新DVD『細川ガラシャ夫人』

 『細川ガラシャ夫人』~散りぬべき時知りてこそ

『細川ガラシャ夫人』は三浦綾子が主婦に友社から「今度は細川ガラシャの“道ありき”を書いてください」と依頼されて取り組んだ、初めての歴史長編小説です。明智光秀の娘に生まれ細川家に嫁いだ玉子は本能寺の変の後、絶望と向き合い、更に重なる苦難の中で、キリシタンの侍女清原佳代の祈りに導かれ、神に出会ってゆきます。関ケ原の戦いに出てゆく夫忠興を送り出してのち、石田方に屋敷を囲まれるなか「散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ」との辞世の歌を遺して38歳の生涯を終えますが、その生と死は戦国の世に平和をもたらすものともなりました。苦難をも恵みとして生きる道を見いだし、女性が道具でしかなかった裏切りと暴虐の戦国の世を人間として生き抜いてゆく一人の女性の物語です。この作品を今回は“約束”をキーワードに解説し、遠藤周作の歴史小説『侍』との比較などにも少し触れました。自分としては、比較的うまく話せたかなと思っています。どうぞお使いください。2021年4月25日室蘭市の港南福音教会での講演会の録画で約75分。1000円+送料等300円です。お支払いは郵送しますDVDに同封の振込み用紙でお願いします。ご注文はEmail:shiokaripass@gmail.com(森下)まで。

 

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。