6月のクリスマス~闇の中に光が来るとき オンライン講演会『道ありき』③結婚まで 

   三浦光世が堀田綾子をはじめて見舞ったのは1955年6月18日でした。この時のことは三浦綾子の自伝『道ありき』などで良く知られていますが、前年亡くなった恋人前川正に余りによく似た三浦光世の突然の訪問に、綾子は驚きました。以降7月3日、8月24日と光世は訪問しました。その間にも手紙はやり取りされているようですが、三度目の時に光世が「神様、わたしの命を堀田さんに上げてもよろしいですから、どうかなおしてあげてください」と祈ったことに綾子は深く感動しました。綾子は即日感謝の手紙(未発見)を書き送りました。翌25日に届いた手紙を読んだ光世は感動し、何度も読み返した後、翌26日に返事を書きました。数年前三浦家で発見された中で最も重要な手紙はこれです。
   手紙はこう書き出されます。

「堀田さん/余りにも美しいあなたのお便りに何とお返事申し上げてよいかわかりません。昨日三度そして今日又とり出して読みました。/御子を十字架につけてまで私達を救い愛して下さる神様は、こんなにも潔い交りの喜びを備えていて下さるのですね。(略)」

 綾子からの手紙を読んだ光世の鮮烈な驚きと感動が伝わってくるものです。
   今回のオンライン講演会では、この手紙など新しい資料も使いながら、三浦夫妻の出会いから結婚までをお話しします。

12月11日(土)14:00~15:30 ZOOM お申込みはshige_hiyo@cloud.com(日吉)

 

 

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。