災害の時代の三浦綾子文学の可能性~『続泥流地帯』を教材にする

   つまり、希望や痛みを含んだ〈どう生きるか〉という精神の問題がこの小説には書かれているのである。

   三浦綾子はすべての小説なかで『泥流地帯』『続泥流地帯』を最も易しい文章で書きました。それは子どもたちにも苦難は容赦なく襲いかかって来るからであり、子どもたちが苦難のなかでも希望を見出してゆけるようになってほしいと思ったからです。災害が特別な非常事態でなくなったこの時代では、災害について子どもたちが総合的に学ぶ必要が大きくなっています。そのなかで、三浦綾子が書いた災害と復興の物語『泥流地帯』『続泥流地帯』を教材として用いる可能性について、東京の成蹊中学校高校の国語科教諭濱村愛先生から、インタビュー形式でお聴きします。今回は『続泥流地帯』の「村葬」の章を用いた授業の意味や効果、方法などについて、具体的にお話しいただきます。
    三浦文学の新しい可能性の提示であることは勿論ですが、『続泥流地帯』前半の復興の是非をめぐる拓一と耕作の考え方の違いや、その心を考察する緻密な読解としても秀逸で、全体のテーマにも直結した聴きどころ満載の対談です。
   濱村愛先生は、今年2021年1月に、論文「自然災害教材としての三浦綾子『続泥流地帯』」(『上智大学国文学論集』54:上智大学国文学会)を発表されました。三浦綾子読書会語り手養成講座も受講された三浦綾子読書会会員です。

                             あや講座 第一回   9月23日(木・祝)   13:30-15:30

            対談  『続泥流地帯』教材としての可能性       濱村愛×森下辰衛    

 当日は、この対談に引き続いて、“講座 三浦綾子と遠藤周作①基礎編”(森下辰衛)もあります。

◆この講座はZOOMにて開催します。お申し込みの方にZOOMのURLと資料をメールでお送りします。
お申し込み :  Eメール yuyurhoda415270@gmail.com (遠藤)
◆講座前日までに、お名前とZOOM でお使いになるアドレスを必ず記してメールで申し込み下さい。
◆参加費は金額自由の献金(募金)です。講座終了後1週間以内に、以下の口座にお振込みください。
ゆうちょ17400-32667711モリシタタツエ
(他の金融機関からは【店名】七四八(ナナヨンハチ)【店番】748【預金種目】普通【口座番号】3266771)

※“あや講座”は年3回程度、土曜日の2時間(質疑応答を含んで60分程度×2コマ)で開催の予定です。第2回は2022年1月22日、第3回は5月7日を予定。講座の企画や内容のお問い合せはEmail:shiokaripass@gmail.com(森下)まで。  主催:三浦綾子読書会育成・研究委員会

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。