新作DVD『母』①、第3回あや講座、出来ました

新しいDVDとCDが出来ました

・オンライン講演会  『母』①“人間のふるさと”(第一章「ふるさと」)2022年4月9日のDVDとCD

   三浦綾子晩年の最高傑作『母』をもう一つの集大成としてじっくりと読んでみる試みを始めました。第一章「ふるさと」だけでこんなに豊かなのかと驚かされるものがあります。島崎藤村『夜明け前』との連関性なども今まで気づかずに来ましたが、とても興味深いものがありました。主人公セキがふるさとで出会ったもの、小林家で体験したこと、そして、ふるさとを出る悲しみ、自ら“ふるさととしての母”になるべく踏み出してゆく小樽への序章、是非お聴き下さい。

・第3回あや講座    2022年5月7日
前半  対談『道ありき』文学碑にこめた思い~光世さん、黒江さんの思い出と共に
     長澤裕子(彫刻家・和寒町在住)×森下辰衛         DVD

   2014年6月に旭川市春光台公園で除幕された『道ありき』文学碑。その制作者長澤さんにそのコンセプトや思い、創作秘話、その過程で出会った光世さん黒江さん思い出などを、工事のプロセスほかの貴重な写真と共にうかがいました。その後も三浦綾子文学の道のモニュメントや見本林の木で作った作品など、手掛けて来られた作品の数々や和寒町のアトリエ、塩狩峠の温泉跡地の公園の紹介もして下さいました。

後半  講座「知里幸恵と三浦綾子~100年前引き継がれたいのちがあった」 森下辰衛   のDVDとCD

   2022年は三浦綾子生誕百年であると共に知里幸恵没後百年でもあります。『アイヌ神謡集』を残して19歳で逝った、語学と文学の大天才。しかし、その偉業以上に『アイヌ神謡集』序文の思想の深さ、クリスチャンであった彼女の19歳とは思えない信仰の成熟。重い心臓の病の中でひとすじに神を見上げつつ、アイヌ、日本人、そして人類を見つめる澄んだ眼差しと深い愛を、遺稿集は教えてくれています。それは三浦綾子が書いた主題と多くの重なりを持つものでした。旭川の同じ学校の19年先輩と後輩であった二人をつないで紹介しました。

    オンライン講演会もあや講座も、とても好評を頂きました。すぐに知里幸恵の遺稿集を買いましたとメール下さった方が何人もおられました。お聴きになって損はない良いものが豊かにあります。どうぞお聴き下さい。DVDは一枚1000円、CDは500円、送料は別です。

お申し込みは、shiokaripass@gmail.com(森下)まで。

 

 

 

 

このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。