遠藤周作『女の一生』を読む会
遠藤周作『女の一生』を読む会 を始めます。
……それは一人のためだったのですもの。その時のあなたの悲しみと、辛さとが……すべてを清らかにしたのです。あなたは少しもよごれていません。あなたはわたくしの子と同じように愛のためにこの世に生きたのですもの。
遠藤周作の歴史長編小説『女の一生 一部・キクの場合』『女の一生 二部・サチ子の場合』(新潮文庫ほか)を読む会を始めます。ゆっくり全文を朗読して、感想を短く分かち合うというだけの会です。
三浦綾子が書こうとして取材しながら書き遺せなかった隠れキリシタン浦上四番崩れの物語を、遠藤周作はどう書いていたか?100年の間にキリシタン迫害殉教と原子爆弾という二重の受難を通った長崎の浦上村。そこに生きた二人の女性の人生を、プチジャン神父、コルベ神父を補助線としながら描き、遠藤周作は何を問おうとしているのか?また、遠藤が書いたこの物語を、『われ弱ければ』『母』を書き進めていた三浦綾子はどう読み、どう受けとめ、そしてなぜ自分も書こうと思ったのか?興味は尽きません。
これらの問いは難問ですし、研究会ではありませんので、そこまではいけないかも知れませんが、深みへの方へ少し踏み出してみたいと思います。まずは、この感動作をご一緒に味わっていただければ感謝です。
・2023年3月27日(月)遠藤周作生誕100年誕生日 19:30 スタート
・毎月最終月曜日19:30~21:00 ZOOMで ・参加費 自由献金
・各回約40ページ 輪読70分、感想の分かち合い15分、まとめ5分。2冊を2年で読みます。
*読了後(2025年春を予定)に、舞台となった長崎(浦上、遠藤周作文学館ほか)、島根県津和野への文学散歩の旅を企画します。津和野ではキリスト教文学としての森鴎外(『女の一生』第一部にも少年時代が出てきます)の原点を訪ねる時にもなればと思います。読む会の参加者は旅行代金が割引価格になる予定(この会に参加されなくても、読んでいただければ旅行には参加できますし、旅行に行かれない方も読む会の参加は歓迎です)。
お申し込み、お問い合わせ:shiokaripass@gmail.com(森下辰衛)
このブログを書いた人

- 三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
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1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。
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