『朗読会のご報告』沢山の皆様のご来場ありがとうございました。

“朗読とピアノで綴る『塩狩峠』とその後の物語”は、6月29日サミットG20真っ最中の大阪桃谷教会で予定どおり開かれました。台風からも守られ、交通の混乱もなく、ちょうど満席、スタッフを入れて156人の大盛会となりました。
深い理解の上に準備され錬られた中村啓子さんの変幻自在の朗読はヒロインふじ子を二十代から八十代まで見事に麗しく演じ語ってくださいました。ピアノの小堀さんは全15曲中6曲を新たに作曲して臨んでくださり、物語の四季をドラマチックに彩ってくださいました。
また神戸三浦綾子読書会の遠藤優子先生を中心に関西各地からのたくさんの信頼できる良き助け手にも恵まれ、私の長女と三女も手伝ってくれて、安心して運営することができました。読書会の底力、綾子さんの恩恵を感じ本当に感謝しています。
物々しく厳しい道路規制など、出にくい状況もあるなか、富山から中村啓子さんの親友の方が駆けつけてくださったり、名古屋や福岡など遠方から来てくださった方々がおられたり、温かい沢山の聴衆の方々にも励まされて、関西でも初めて『雪柳』を聴いていただけました。『漫画塩狩峠』を書かれたのだますみさんも会衆席の真ん中で熱心に聴いてくださいました。多くの方がお二人の名演に涙しながら聴き入ってくださり、中には終演後、私も朗読をしてみたい!と興味を持たれて、中村啓子さんに質問しておられる方もありました。
“私が書いた拙いものがこんなドラマになるなんて!本当に私が書いたのだろうか?”と今回も思わされました。“とうてい信じられないこと”をまた一つ、目の前に見せていただいた土曜日でした。

素晴らしい会場を貸してくださった大阪桃谷教会と木坂先生、そしてご協力くださった沢山の方々、お祈りくださった方々にも心から感謝申し上げます。

森下辰衛


このブログを書いた人

森下 辰衛
森下 辰衛三浦綾子読書会代表/三浦綾子記念文学館特別研究員
 1962年岡山県生まれ。1992年から2006年3月まで福岡女学院短大および大学で日本の近代文学やキリスト教文学などを講義。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年秋より同代表。
 2006年、家族とともに『氷点』の舞台旭川市神楽に移住し、三浦綾子文学館特別研究員となる。2007年、教授の椅子を捨て大学を退職して以来、研究と共に日本中を駆け回りながら三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行なっている。
 著書に『「氷点」解凍』(小学館)、『塩狩峠』の続編小説『雪柳』(私家版)、編著監修に『三浦綾子366のことば』『水野源三精選詩集』(いずれも日本基督教団出版局)がある。NHKラジオ深夜便明日への言葉、テレビライフラインなどに出演。